①『万葉集』に詠まれた!日本屈指の古湯
②敷地内の泉源から注がれる、熱めの湯
③真骨頂といえる、居心地の良さ
創業三百余年、江戸時代から続く登録有形文化財の宿
湯河原温泉は『万葉集』にも詠まれた日本屈指の古湯だ。
その中心部にあって、江戸中期創業の歴史を刻み、昭和初期築の風格漂う木造4階建ての本館のほか、玄関棟と別館を構えるのが「源泉 上野屋」だ。
すべての建物が国の登録有形文化財である。
敷地内にある泉源から湯船に源泉かけ流しで注がれる湯はかなり熱め。
風呂は玄関に入ってすぐのところに「六瓢の湯」と名付けられた内湯が2ヵ所。
一方は湯船が2つ、もう一方は1つで、時間を区切って男女交替制にしている。
ほかに、本館4階に貸切使用の半露天風呂が2ヵ所。それと5階に当たる高所に展望足湯を設けている。
館内は歴史を伝える黒光の階段や部屋ごとに意匠の異なる和室が並ぶ。
普通、この手の伝統的な宿には堅苦しい雰囲気があるものだが、この宿には肩の凝らない、家族的ともいえる気やすい雰囲気が漂う。
料金設定も特別期間以外はけっして高くはなく、居心地のよい宿だ。
その空気感が、この宿の真骨頂だと思う。
( 写真上:男女交替制・内湯「六瓢の湯」 )
本館4階には2ヵ所の貸切半露天風呂があり、無料で利用できる。写真は「藤木」。
玄関棟1937 (昭和12) 年、本館1930 (昭和5) 年、別館1923 (大正12) 年の建築。
客室は8畳・10畳・6畳+8畳があり、全18室。バス・トイレ付3室、トイレ付8室。
食事は椅子とテーブル席の食事処に用意される。写真は会席料理の夕食の一部。
湯河原温泉・源泉 上野屋
・ふりがな:ゆがわらおんせん げんせんうえのや
・住所:神奈川県足柄下郡湯河原町宮上616
・電話番号:0465-62-2155
・交通:
電車/JR東海道本線湯河原駅から不動滝・奥湯河原方面行きバスで12分、温泉場中央下車、徒歩1分
車/西湘バイパス石橋ICから約30分
・泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉
・源泉温度:81.3度
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2019年10月14日)