①西郷隆盛お気に入り!1ヶ月も温泉三昧
②「日帰り入浴」あり!宿泊はわずか7室
③特注の名物!「鶏の丸蒸し」
西郷隆盛が愛した地に建つ秘湯の一軒宿
栗野岳温泉は、霧島連山の西端にそびえる栗野岳の中腹に湧く。
背後には八幡地獄が激しく噴気を上げ、その白煙は麓の町からも望むことができる。
征韓論に敗れて帰郷した西郷隆盛が、愛犬とともにこの地を訪れたのは西南戦争の前年、明治9年 (1876) のこと。
当時は明礬採取の作業員小屋と湯小屋があった程度で、西郷はここがいたく気に入り、
約1ヵ月間も滞在して温泉と狩猟三昧の平穏な時間を過ごしたという。
一軒宿の南洲館の開業は明治41年 (1908) 、宿名は西郷の号にちなんだ。
大きな一軒宿だが、本館は日帰り入浴客用に使用され、宿泊客用は新館のわずか7室だけだ。
独立した3棟にある風呂はいずれも男女別で、一番大きな湯船の「桜湯」、泥湯と呼ばれる「竹の湯」、
もうひとつは温泉蒸気による天然サウナの「蒸し風呂」。
新館には宿泊客専用の檜風呂もある。
食事は立派な会席料理が供されるが、特注の名物「鶏の丸蒸し」(予約制) をぜひ味わってみたい。
鹿児島に行くたびに必ず訪れる、筆者のもっとも好きな1湯である。
( 写真上:男湯・内湯「桜湯」)
内湯「竹の湯」(男湯)。湯船の底に堆積した鉱泥を体に塗る「泥湯」が人気だ。
左が新館の宿泊棟で、右手の本館は日帰り客用。背後に八幡地獄の噴煙が上がる。
宿泊はゆったりとした間取りの和室7部屋のみ。ほかに湯治棟 (3室) もある。
温泉の蒸気で蒸し上げる南洲館名物の「鶏の丸蒸し」(1羽1750円、予約制)。
栗野岳温泉・南洲館
・ふりがな:くりのだけおんせん なんしゅうかん
・住所:鹿児島県姶良郡湧水町木場6357
・電話番号:0995-74-3511
・交通:
電車/JR肥薩線駅から町営ふるさと循環バスで27分、栗野岳温泉下車すぐ
車/九州自動車道栗野ICから約20分
・泉質:単純酸性硫黄泉 (桜湯)、酸性・含鉄(Ⅱ・Ⅲ)-アンモニア-硫酸塩泉 (竹の湯)
・源泉温度:61.2度 (桜湯)、90.0度 (竹の湯)
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2017年4月25日)
◆カテゴリー:稀少/湯の色(白系)|泉質/含鉄泉(赤褐色の湯)・硫黄泉(万病に効く湯)・酸性泉(殺菌の湯)