①ダム開発で水没後、赤谷湖の畔に移転
②湖と山々を望む、抜群のロケーション
③自家製豆腐の「豆富懐石」が名物料理
赤谷湖と上越国境の山々を望む絶景と料理自慢の宿
上州と越後を結ぶ三国街道は、戦国時代には越後の雄・上杉謙信が関東進攻の峠越えを敢行した要路であった。
その上杉謙信が名付け親とも伝わる猿ヶ京温泉は、江戸時代は街道の重要な宿場町として機能し、笹の湯・湯島温泉と呼ばれていた古湯である。
この街道の温泉を一変させたのが1959 (昭和34) 年に竣工した相俣ダムだった。
水没した温泉街は、出現した赤谷湖の畔に移転し、湖畔の観光温泉地に変貌することになった。
その湖畔にひときわ目を引く鉄筋6階建ての偉容を見せるのが猿ヶ京ホテル。
移転当初は桑原館という名称の木造3階建てだったが、現在の建物が完成した1972 (昭和47) 年に猿ヶ京ホテルと改称した。
赤谷湖を眼下に、上越の山々を見渡す抜群のロケーションにあり、別棟の浴場棟には大きな湯船が2つある大浴場+庭園風露天風呂が2ヵ所 (男女交替制) あり、露天風呂「瑠璃の湯」からは入浴しながら赤谷湖と周囲の山々が望める。
また、岩風呂と檜風呂の貸切風呂 (有料) も2ヵ所あり、いずれも源泉かけ流しだ。
食事は、自家製の豆腐を使った「豆富懐石」が名物料理。
朝食には焼き立てのパンも供される。
( 写真上:男女交替制・露天風呂「瑠璃の湯」/写真提供:猿ヶ京ホテル )
大きな湯船が2つある大浴場は源泉かけ流しで快適。19時30分に男女が入れ替わる。
客室は和室37・和洋室12の全49室。写真は最上階6階にある「603」号室。
赤谷湖側6階の「603」号室からの眺望。山側の客室からは谷川連峰の一角が望める。
看板料理の「豆富懐石」の一部。自家製の豆腐を中心にした目にも楽しい料理が並ぶ。
猿ヶ京温泉・豆富懐石 猿ヶ京ホテル
・ふりがな:さるがきょうおんせん とうふかいせき さるがきょうほてる
・住所:群馬県利根郡みなかみ町猿ヶ京温泉1171
・電話番号:0278-66-1101
・交通:
電車/上越新幹線上毛高原駅から猿ヶ京行きバスで約30分、終点下車(上毛高原駅14:00発→JR上越線後閑駅14:10発および猿ヶ京バス停から送迎あり、要予約)
車/関越自動車道月夜野ICから約20分
・泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉
・源泉温度:54.0度
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2020年5月20日)