①冬は豪雪!肘折温泉の家庭的な湯治宿
②リーズナブルだが、料理コースが豊富!
③湯治文化を感じる、新鮮食材が並ぶ朝市
かけ流しの名湯と奥さんの手作り料理に癒される宿
青森県の酸ヶ湯温泉と並び、毎年のように豪雪のニュースが流れると必ず名前が挙がるのが肘折温泉だ。
2017~18年にかけての冬、積雪量が4mを超えたとのニュースは、いまだに記憶に新しい。
肘折温泉は、約25軒の湯宿が狭い道路を挟んで温泉街を形成しているが、特徴的なのは観光客向けの棟のほかに、
いまでも長期滞在客向けの湯治棟を持っている宿が多いことだ。
そして、湯治文化をいまなお色濃く残す象徴的な風景が、4月下旬~11月下旬に温泉街に立つ朝市。
この朝市で新鮮な食材を求めるのが、湯治客の楽しみの1つなのである。
木村屋旅館は湯治滞在客の常連が多い、わずか6室の小さな宿だ。
自炊湯治はやっていないが、それを必要としないのは料理自慢の奥さんがいるから。
しかも、ニーズに合わせて、湯治少食コース、湯治満足コース、満喫コース、大名膳コースが選べるという心遣いには感心するが、さらに驚くのがその宿泊料金の安価なことで、最も高い大名膳コースにしても1泊2食9000円程度。
こうした宿が当然のように頑張っていることが、まさに湯治文化の伝統を受け継ぐ肘折温泉の真骨頂、なのだろう。
温泉宿の未来はけっして暗くはない、そんな思いを強く感じさせる宿である。
( 写真上:男女交替制・展望風呂/写真提供:木村屋旅館)
路線バスの終点から徒歩1分の好立地にある小さな木造2階建ての家庭的な宿。
男女交替制の中浴場 (写真) と貸切風呂もあり、かけ流しの名湯にいつでも入れる。
奥さん手作りの心のこもった料理が並ぶ食膳。これを楽しみに訪れる客が多い。
名物の朝市は4月下旬~11月下旬の雪が来るまで、早朝から昼前まで開かれる。
肘折温泉・木村屋旅館
・ふりがな:ひじおりおんせん きむらやりょかん
・住所:山形県最上郡大蔵村肘折温泉532
・電話番号:0233-76-2139
・交通:
電車/山形新幹線新庄駅前から肘折温泉行きバスで55分、終点(肘折温泉待合所)下車、徒歩1分
車/東北中央自動車道東根ICから約1時間30分
・泉質:ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
・源泉温度:64.6度
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2018年4月1日)