①塩原温泉11湯の発祥の地
②白、青白、黒の3色の源泉
③不思議!黒色に変わる「墨の湯」
白濁系の湯2種類と黒湯「墨の湯」の不思議
奥塩原元湯温泉の発見は大同元年(806)といわれ、塩原温泉11湯の発祥の地とされる。
往時は「元湯千軒」と呼ばれるほどの賑わいを見せたが、万治2年(1659)の大地震による山津波で大半が壊滅。
その後、元湯温泉神社を再建した時に再び温泉の湧出をみたといわれる。
現在3軒の宿があるのみだが、赤川のほとりに2軒、それを見下ろす山腹にこの大出館がある。
源泉は「御所の湯」「五色の湯」「墨の湯」の3本。
泉質名はいずれも同じだが、他の2本が青白、白濁、灰色の湯に変色するのに対し、
「墨の湯」だけが名前のとおりの黒色に変色する。
成分表では「墨の湯」だけが第一鉄イオンの含有量が大幅に多いので、それが原因だと思われる。
いずれにしても温泉の不思議である。
( 写真上:混浴・内湯「墨の湯」)
8つの湯船のうち、女湯の内湯と露天風呂以外は混浴 (墨の湯は女性専用時間あり) 。
冬は雪見露天が楽しみ。主力源泉「御所の湯」は白濁、青白、灰色などに変化する。
客室は飾り気のない和室が26室あり、長期滞在する常連の湯治客も少なくない。
奥塩原の深山風景を見晴らす高台にあって、豊かな自然環境に恵まれた保養向きの宿。
奥塩原元湯温泉・大出館
・ふりがな:おくしおばらもとゆおんせん おおいでかん
・住所:栃木県那須塩原市湯本塩原102
・電話番号:0287-32-2438
・交通:
電車/東北新幹線那須塩原駅から塩原温泉行きバスで約1時間10分、終点下車(宿泊客はバス停から送迎あり約15分、要予約)
車/東北自動車道西那須野塩原ICから約45分
・泉質:含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
・源泉温度:52.6度 (墨の湯)
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2016年11月23日)
◆カテゴリー:稀少/湯の色(色系)|泉質/硫黄泉(万病に効く湯)