①国の登録有形文化財、登録第1号!
②「きつね湯」と「さるの湯」
③自然湧出のピュアな湯に感動
会津若松の奥座敷に奇跡的に継承された珠玉の名宿
東山温泉は、鶴ヶ城から南東に約3km、両側から山肌が迫る湯川沿いに湧く。
かつては山形県の上山温泉、湯野浜温泉とともに“奥州三楽郷”と並び称された名湯である。
現在もなお、会津若松の奥座敷と呼ばれた歴史を偲ばせるが、
その中でもひときわ目を引く重厚な佇まいを見せているのが向瀧だ。
藩政時代は会津藩の指定保養所だった「きつね湯」を平田家が引き継ぎ、明治6年 (1873) に旅館として開業した。
湯川沿いと山側の傾斜地に、池泉庭園をコの字形に囲むように建ち並ぶ建物は明治中期から昭和初期にかけての建築で、
すべて意匠の異なる客室は全24室、そのすべてが国の登録有形文化財、それも登録第1号物件である。
風呂は男女別の「きつね湯」と「さるの湯」、自由に利用できる貸切風呂が3ヵ所あり、毎日湯を入れ替える源泉かけ流し。
特に伝統の「きつね湯」は自然湧出の自家源泉で、そのピュアな浴感は感動的である。
なお、冬季には、中庭を舞台に恒例の「雪見ろうそく」が幻想的な世界へといざなう。
( 写真上:男湯・内湯「きつね湯」)
内湯「さるの湯」(男湯)。ほかに貸切風呂(無料)も3つある温泉三昧の宿。
重厚な構えの玄関棟。湯川と山沿いに国の登録有形文化財の見事な建物が建ち並ぶ。
小川が流れて池をつくる庭園。せせらぎが心に沁みる静謐な空間も魅力のひとつ。
夕食 (秋の献立) の一部。左手前は江戸時代からの伝承の一品、名物「鯉の甘煮」。
東山温泉・向瀧
・ふりがな:ひがしやまおんせん むかいたき
・住所:福島県会津若松市東山町湯本字川向200
・電話番号:0242-27-7501
・交通:
電車/JR磐越西線会津若松駅からまちなか周遊バスあかべぇで17分、東山温泉駅下車、徒歩3分
車/磐越自動車道会津若松ICから約15分
・泉質:ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉
・源泉温度:56.2度
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2017年5月16日)