①肌に優しい「草津の仕上げ湯」
②400年の歴史がある老舗宿
③廃業から救った主人は、もと銀行マン
伝統の混浴風呂に加えて斬新なデザインの浴場も完成
沢渡温泉は、「草津の仕上げ湯」と呼ばれた名湯である。
強酸性の草津の湯で痛めつけられた肌を沢渡の“一浴玉の肌”と謳われた肌に優しい湯で癒して帰るというのが、
往時の湯治のセオリーだったわけだ。
まるほん旅館は400年の歴史がある老舗で、名物は「檜張り湯小屋風呂」と呼ぶ混浴大浴場だが、
2003年には斬新なデザインの女湯が加わった。
それぞれには男女の交替時間もある。
この老舗にも後継者不在で存続の危機に直面したことがある。
それを救ったのが現館主の福田智さんだ。
地元民以外には譲渡できないという決まりがあるのを知り、廃業を惜しんで銀行マンから転身、
夫婦で養子になって2004年に跡を継いだ。
先代の「素朴で温かく寛げる宿に」の思いもそのままに引き継がれている。
( 写真上:混浴・内湯「檜張り湯小屋風呂」 )
※コロナ禍以降、当分の間は金・土・日のみ (祝日も休業) の営業で、日帰りは入浴不可。
こちらは2015年に完成した女湯。混浴の大風呂の女性専用時間には男性も入浴できる。
のどかな雰囲気が漂う温泉街の坂道に面して、木造2階建ての宿を構えている。
客室はのんびりと寛げる和室が18室。以前からの宿の方針で、一人旅も歓迎だ。
家庭的な料理が並ぶ夕食の一例。夕食、朝食ともテーブル席の食事処に用意される。
沢渡温泉・まるほん旅館
・ふりがな:さわたりおんせん まるほんりょかん
・住所:群馬県吾妻郡中之条町上沢渡甲2301
・電話番号:0279-66-2011
・交通:
電車/JR吾妻線中之条駅から沢渡温泉行きバスで25分、沢渡温泉下車、徒歩2分
車/関越自動車道渋川伊香保ICから約40分
・泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉
・源泉温度:54.8度
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文・写真/飯出敏夫
(更新日:2022年1月15日)
◆カテゴリー:泉質/硫酸塩泉(傷の湯)