①下呂温泉街を見下ろす、文化財の宿
②気鋭の建築家、丹羽英二氏を起用
③館名は、下呂温泉の古名「湯島」を採用
「日本三名泉」と謳われる下呂温泉を代表する老舗
下呂温泉の多くの宿は飛騨川沿いに建ち並んでいるが、
この湯之島館は温泉街を見下ろす通称下呂富士と呼ばれる中根山の中腹に建つ。
敷地面積5万坪。
樹齢数百年の杉や檜が茂る森の中に、国の登録有形文化財の本館、玄関、渡り廊下を含む7棟が建ち並ぶ。
創業は昭和6年 (1931)。
名古屋の実業家岩田武七が壮大なリゾート構想を基に建てた。
洋館部分は気鋭の建築家丹羽英二を起用し、和の部分は岩田家お抱えの戸田棟梁が飛騨の匠たちを指揮。
その建築美の妙が、この宿の魅力を際立たせている。
風呂は展望大浴場と展望露天風呂を備えた「山渓之湯」と「飛山之湯」(ともに男女交替制)、
宿泊客は自由に利用できる家族風呂が4タイプ。
全67室を擁す客室には温泉浴槽を備えた部屋も用意している。
館名に下呂温泉の古名「湯島」を採用したところにも、この宿の矜持を見る思いがする。
( 写真上:男女交替制・展望露天風呂「飛山之湯」 )
重層する屋根伏せと黒漆喰仕上げの外観が見事な玄関 (国の登録有形文化財)。
杉や檜の老木をあえて伐らずに残して建てられた本館 (国の登録有形文化財)。
大きな窓から飛騨の山々が望める展望大浴場「飛山之湯」(男女交替制)。
木造3階建ての本館の客室は、いずれも意匠が異なる凝った造りで全22室。
下呂温泉・湯之島館
・ふりがな:げろおんせん ゆのしまかん
・住所:岐阜県下呂市湯之島645
・電話番号:0576-25-4126
・交通:
電車/JR高山本線下呂温泉駅からタクシー5分 (駅から送迎あり、要予約)
車/中央自動車道中津川ICから1時間30分
・泉質:アルカリ性単純温泉
・源泉温度:55度
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2017年7月30日)
◆カテゴリー:稀少/文化財の宿|泉質/単純温泉(やさしい湯)