①塩原ツウも知らない!?隠れ宿の風情
②トリリンガル!ユニークな経歴のご主人
③塩原で、一番多くの外国人が占める宿
塩原で異彩を放つ、外国人客が多く訪れる隠れ宿
塩原温泉郷の中心部から約2km、「木の葉化石園」に向かう橋を渡ってすぐに右折、左岸に沿う道の突き当たりに、まるで隠れ宿のような風情で建つ。
塩原ツウでも、赤沢温泉という名を知らない人も多いに違いない。
実はここ、休業していた宿を現館主の遠藤正俊さんが譲り受け、2015年4月にリニューアルオープンした宿である。
屋号も独自源泉「赤沢源泉」にちなんで改称した。
遠藤さんの経歴はユニークだ。
アメリカの大学で林学を学び、南米で植林の仕事に従事したあと、大学院に入り直して林学博士の資格を取得。
その後、日本の大手製紙会社に就職し、中国で植林を主な仕事とする事業所立ち上げの責任者として赴任。
帰国するたびに温泉をめぐり、いつか温泉宿を経営してみたいと思うように。
そして、満を持して退職。
ようやく、この宿を取得したというわけだ。
可愛らしい中国女性の伴侶を得て、中国人や台湾人のスタッフも迎え、英語・中国語・スペイン語を駆使して、外国人客の受け入れに意欲的。
いまや、塩原ではもっとも客の多くを外国人が占める宿となった。
風呂は男女別の大きめの内湯+露天風呂、ほかに貸切露天が1ヵ所。
そこに少し加温した自家源泉がかけ流しで注ぐ。
客の送迎と観光案内するための大型バスを購入し、レンタカーを扱う旅行会社も立ち上げた。
温泉旅館の廃業が目立つ昨今、「日本の温泉を世界に広める」と意気軒高。
「新しい湯守」に挑戦する遠藤さんの姿勢はあくまでも前向きである。
( 写真上:女湯・露天風呂)
敷地は広く、庭の園地では春から秋にかけてバーベキューの食事になることも。
男女ともほぼ同じ造りの朝日がきらめく内湯がなんとも言えず快適 (写真は女湯)。
現在、客室は10室。館内では猫3匹、庭では犬と山羊各1匹がにぎやかに迎える。
食事は朝晩とも、ゆったりとした椅子とテーブル席のダイニングに用意される。
中塩原温泉・赤沢温泉旅館
・ふりがな:なかしおばらおんせん あかさわおんせんりょかん
・住所:栃木県那須塩原市塩原1149
・電話番号:0287-46-5700
・交通:
電車/東北新幹線那須塩原駅から塩原温泉行きバスで1時間5分、終点(塩原温泉バスターミナル)下車、徒歩約30分(バス停から送迎あり、要連絡)
車/東北自動車道西那須野塩原ICから約30分
・泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
・源泉温度:45.0度
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2018年4月6日)
◆カテゴリー:泉質/塩化物泉(熱の湯)