①ダム建設で泉源埋没!しかし先代が復活
②良質な茶褐色の湯、成分で固まった湯船
③家族総出のおもてなし
圧倒的な湯量と濃い成分が固まった湯船が印象的
奥吉野の大迫ダムの湖畔にある入之波温泉は、奈良県下ではもっともインパクトがある温泉と言っていい。
温泉の歴史は古く、享保年間(1716~36)に描かれた古地図に登場しているというから、
300年前にはすでに知られた存在だったようだ。
ダム建設で河原にあった泉源は埋没したが、それを惜しんだ先代が復活。
さらに昭和59年に150m掘削したところ、源泉温度39.6度、毎分500ℓもの良質の湯が噴出したという。
宿は宿泊棟と浴場棟の2棟がダム湖にせり出して建つ。
吉野杉を多用した内湯の湯船は木造りとは思えないほど、濃厚な温泉の成分で固められて、まるで鍾乳石のよう。
露天の欅造りの湯船もほぼ同様だ。
豊富な茶褐色の湯と、家族総出のもてなしが印象深い。
( 写真上:男湯・露天風呂 )
木造りの浴槽もご覧のとおりの鍾乳石状態。温泉の濃厚な成分が一目でわかる。
こちらは女湯の内湯。豊富な湯量を物語るように、惜しげもなく源泉かけ流し。
窓の外にダム湖の湖水が光るシンプルな造りの客室。全7室のこぢんまりとした宿。
料理はカモ鍋、アマゴを使った南朝鍋が名物。写真は昼食用のアマゴの釜飯。
入之波温泉・湯元山鳩湯
・ふりがな:しおのはおんせん ゆもとやまばとゆ
・住所:奈良県吉野郡川上村入之波391
・電話番号:0746-54-0262
・交通:
電車/近鉄吉野線大和上市駅から湯盛温泉・杉の湯行きバスで35~57分、終点下車(宿泊客はバス停から送迎あり約25分、要予約)
車/西名阪自動車道郡山ICから約1時間30分
・泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
・源泉温度:39.6度
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2016年11月23日)
◆カテゴリー:稀少/湯の色(色系)|泉質/塩化物泉(熱の湯)・炭酸水素塩泉(美肌の湯)