①悲願の歴史あり!人気高原リゾート温泉
②白山の中腹から届く、源泉かけ流し風呂
③地元食材を満喫♪囲炉裏で炭火焼き料理
過疎の村を飛躍させた温泉開発の歴史を秘めた湯宿
1977 (昭和52) 年開湯の白山一里野温泉は、岐阜県白川郷とを結ぶ白山白川郷ホワイトロード (旧白山スーパー林道) の石川県側の拠点として、今や人気の高原リゾート温泉となった。
しかし、開湯にこぎつけるまでの歴史は、実に旧尾添村100年の悲願が込められたものであった。
その偉業を成し遂げたのが、この宿の館主山崎太一朗氏の祖父と父。
特に祖父の信一氏は脱サラしてここから10kmも離れた泉源地の岩間温泉まで道を切り拓き、想像を絶する苦難の末に1954 (昭和29) 年に山崎旅館を創業。
しかし、たった2年でそこが雪崩で壊滅するや、翌年には手前3.5kmの地点に岩間温泉を再興し、次に白山一里野温泉を開発する道筋をつけた。
その遺志は父・正夫氏を中心に村民に引き継がれ、ようやくにして安定的な引湯に成功したのが1977 (昭和52) 年のことであった。
一里野高原ホテルろあんの創業も同年のことで、現在12軒の宿がある温泉街の中心施設として君臨する。
宿は母・久栄さんが初代社長として切り盛りし、今は息子の太一朗氏が継承。
10km奥の白山中腹の泉源から届く源泉かけ流し風呂とともに、自宅の古民家を移築した食事処では囲炉裏端で地元食材を駆使した炭火焼き料理が楽しめる。
兼営するルーツの岩間温泉・山崎旅館は、例年6月中旬~11月下旬の半年足らずしか営業できない秘湯中の秘湯。
「日本秘湯を守る会」の会員宿でもある。
( 写真上:男湯・露天風呂 )
源泉かけ流しの内湯 (男湯)。ほかに貸切風呂2つ、岩盤浴 (いずれも有料) も用意。
高原のホテルらしい雰囲気が漂うロビー。冬季は赤々と燃える薪ストーブが迎える。
客室は和室22・洋室6の計29室。露天風呂付き特別室も1室ある。(写真提供:一里野高原ホテル ろあん)
夕食は地元の食材を8割以上使った、こだわりの「白山いろり炭火膳」。(写真提供:一里野高原ホテル ろあん)
白山一里野温泉・一里野高原ホテル ろあん
・ふりがな:はくさんいちりのおんせん いちりのこうげんほてる ろあん
・住所:石川県白山市尾添チ70-4
・電話番号:076-256-7141
・交通:
電車/北陸鉄道石川線終点の鶴来駅から瀬女(せな)行きバスで約40分、終点下車(バス停から送迎車で10分、要予約)
車/北陸自動車道白山ICから約50分
・泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
・源泉温度:52.1度
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文・写真/飯出敏夫
(公開日:2020年5月20日)
◆カテゴリー:泉質/塩化物泉 (熱の湯)